「人に理解されない」の話。 小説 流浪の月より

らしさを探すきっかけ

‘’あなたと共にいることを、世界中のだれもが反対し、批判するはずだ。私を心配するからこそ、誰もが私の話に耳を傾けないだろう’’  本書カバーより

’’せっかくの善意をわたしは捨てていく。だってそんなものでは、わたしは欠片も救われてこなかった’’  p271より

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はじめに

みなさんこんにちは。ルビーインメディア部です。この「人生哲学」のコーナーは、映画や小説など様々な作品から多様な価値観、マインドを紹介していき、みなさんに新たな発見をしてもらえればというコーナーです。

みなさんが「自分らしさ」を見つけるきっかけになれば幸いです。

今回は2020年ベストセラー、本屋大賞も受賞した「流浪の月」(著:凪良 ゆう)からいろんなことを考えていきたいと思います。

どんなお話?

あらすじ
優しい父、自由奔放な母の下で幸せな小学生生活を送っていた更紗だが、両親の離婚に加えある「ヒミツ」を抱えるようになり、孤独に苛まれ始める。そんな中、”ロリコン”である文と出会い、生活を始め…。「誰にも理解されない」思いを抱えた二人の、数奇な出会い・別れ・再会を描いた傑作小説。

ジェンダー、善悪観、孤独など様々なテーマがつまった本作ですが、当然ながら小説としての完成度が非常に高く、おススメです!

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感想(13件)

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「世間」から理解されない二人

ネタバレになってしまいますので深くは言及しませんが、主人公である更紗は幼少期から周囲に理解されない価値観を持って生きていました。そんな更紗は両親の離婚をきっかけに孤独を感じ始めていた最中、”ロリコン”といわれる大学生、文と出会い、なんと同棲生活を始めます。

更紗は文に何をされるでもなく、彼との生活を心から楽しんでいたのですが、世間から見ればそれは「誘拐」でしかなく、当然二人引き離され、世間は文を非難します。

当時幼かった更紗は弁解もむなしく「被害者」のレッテルを貼り付けられ、人生のいたるところでそれに縛られることになります。

私たちに潜む 「よわいもの=被害者」 というバイアス

                   出典:(28) Pinterest


‘’あなたと共にいることを、世界中のだれもが反対し、批判するはずだ。私を心配するからこそ、誰もが私の話に耳を傾けないだろう’’


例えば「子ども」「性的マイノリティ」「障がい者」など一般的に社会的弱者またはマイノリティ と認知されている人がいます。

私たちがその人々に間接的ないし直接かかわる機会があった時、少なからず心のどこかで無意識のうちに「よわいもの」「かわいそう」「苦労してる」という思いが浮かんでくるのではないでしょうか。

無意識のそのフィルターは、強力で、私たちは初めに抱いたイメージにそぐうような解釈をしてしまう傾向があります。

よって、もし何か事件などがあった時、私たちは彼らをまず「被害者」として考えてしまうのではないでしょうか。

つまり、そのバイアスが先行して、その人の「個別性」を見ようとしません。これはなるべく情報をショートカットしたいという脳の性質上、ある程度仕方のないことなのですが、それに振り回されていては、あまりにも多くのものを見失ってしまいます。

闘わねば


だから、私は、闘わねばならない。 と感じるのです。世間と。私たち自身の脳機能と。

「被害者」だけではありません。「世間」が決めたカテゴライズ(ステレオタイプ)に惑わされず、まずその人個人として探ろうとする姿勢が必要なのではないでしょうか。当たり前のことに聞こえますが、胸を張って「私はできている」と言える人はそう多くないはずです。

あなたはどうですか??

わかってもらえないもの、わかり合えないもの

                               出典:形 続けて 男 – Pixabayの無料写真


さて、そんな「理解されない」二人(のちに三人になる)ですが、特に主人公の更紗は周囲に「わかってもらえない」ことで苦しみ続けます。

私見ですが、「わかってもらえない」という思いで苦しむ人は案外多いと感じています。次はこの「わかってもらえない」について考えていこうと思います。

分かってもらえないのは

あなたがわかってもらえないのは、周りの理解が足りないからでしょうか、それとも伝え方が悪いとか・・・。また、先に述べた「バイアス」も大きく影響しているでしょう。どれも間違いではないのでしょうが、私は

 基本的に  
 その人の考え/経験/思いは本人以外が理解するのは不可能である ことが根底にあると思います。

わかってもらえないのはある種当たり前のことでもあります。あなた以外の人間が、あなたの考えや価値観、経験を完璧に理解するのは100%不可能です。理解できないからこそ、その未知の領域を認識して、尊敬し合い慈しみ合うことが大切なのではないでしょうか。

これは同時に私たち自身への警鐘にもなります。

誰かと関わる際、分かった気にならず 少なくとも理解できない領域/自分が見えていない領域があることを認知しておく必要があるでしょう。

理解されずどう生きるか

’’せっかくの善意をわたしは捨てていく。だってそんなものでは、わたしは欠片も救われてこなかった’’

「前章で分かってもらえないのはある種当たり前」と書きましたが、時々 「わかってもらえない=価値がない、自分を否定されている」 と感じそれで悩んでしまう人がいます。

しかし、人はそもそも根本的に分かり合える生き物ではありません。理解されないからといってあなたが自分の悩み、マインド、価値観を否定・毛嫌いする必要は1ミリもありません。

尊いあなたの一部なのだから、いつか大切に思える日が来ることを願っています。

また、もしそれでも「理解されたい」「楽になりたい」と思うなら、自身の理解されない部分に関する”知識”をつけたり、自己分析を徹底したりしてゆくことが変化への一歩になるのではないでしょうか。

おわりに

いろいろと書き連ねましたが、今回小説「流浪の月」を通してみなさんと考えたことをまとめると、

無意識「バイアス」と常に闘え

・理解されないことで、悩む必要なんてない

ということです。やっぱり本は面白いだけではなく、新たな視点を得れたりするからいいですよね。
最後に、この場を借りて本当に素敵な作品を書いてくれた凪良ゆうさんに感謝を述べたいと思います。

今回の記事があなたの「自分らしさ」の一助になれば幸いです。それではまた!

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コメント

  1. […] また、らしさのきっかけ「人生哲学」#1でも触れていますが、その人の「未知の領域」についても考える必要があるでしょう。 […]